東洋医学で使われる漢方の効果と飲み方

中国を発祥とする東洋医学で利用される代表的な治療法の一つが、漢方だ。西洋医学の処方薬と同じイメージを持たれがちだが、実際には細かい点に違いがある。東洋医学では患部に直接手を下さず、人間が本来持つ自然回復力を使った治療がメインだ。漢方は服用によって体質を改善し、治癒能力を高める効果が期待されている。西洋医学の処方薬は化学合成で人工的に作られたものが大半を占める一方、漢方は自然由来の素材を使うのが特徴だ。西洋医学の処方薬に比べて、服用による副作用が起こるリスクが限りなく低いと言われるのはこれが理由とされている。

飲み方にも違いがあり、漢方は食前もしくは食間のタイミングで服用するのが一般的だ。食後が基本の西洋医学の飲み方が習慣になっていることで、漢方を飲み忘れてしまう失敗例は少なくない。異なるタイミングで飲むことは体に悪いと間違った認識により、自己判断で飲まずに済ませてしまう人も多いのが実情だ。東洋、西洋を問わず治療目的の薬は服用しなければ意味がないので、食事中に飲み忘れに気付いたときは食後に飲むようにしなければならない。

天然の素材を使う漢方には、独特の匂いや苦みを感じるものもある。そのままの状態での服用が望ましいとされているが、抵抗を感じてしまう場合はオブラートや薬用ゼリーを使っても問題ない。ただし、薬によってこれらが効果を半減させてしまうこともあるので、自己判断をせずに薬剤師に相談をすることが大切だ。